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古来の東洋では喪服の色は白が基調だった

喪服と言えば上から下まで黒づくめという印象がありますが、古来の東洋では黒ではなく白を基調としたものを着用していました。
これは死装束が白かったことに由来するもので、そのことから喪服にも白が用いられていたと考えられています。
ですので黒が一般的に着用されるようになったのは近代に入ってからのことです。
中国では伝統的な葬儀の場で黒を身につけることはなく、必ず白を基調にしたものを着用します。
これは冠婚葬祭を紅白喜事と称し、結婚式は赤、葬式は白としているためです。
しかし中国も経済発展した都市部においては黒やダークグレーの喪服を着用し、腕には黒の喪章をつけて参列するのが一般的になりつつあります。
一方日本での葬儀の際に着用するもので、黒以外に薄墨色を着てもよいということはあまり知られていません。
和服に関して言うなら、喪主とその配偶者は白を着用しても良いことになっていますが、やはり弔いの意思を表す黒が一般的です。

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